宿泊税と入湯税|旅行先で払う税金のしくみ
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最終確認:2026年10月4日(制度やサービスの情報は、この日に公式サイトで確かめました)
旅行先のホテルや旅館で、宿泊料金とは別に「宿泊税」や「入湯税」を払うことがあります。どちらも、旅行先の自治体の税金です。
入湯税は、地方税法で決められている温泉の税金です。宿泊税は、自治体がそれぞれ条例で決める税金で、2026年に入ってからも、新しく始める自治体が続いています。
この記事では、総務省や自治体の公式ページをもとに、2つの税のしくみと、東京都・京都市などの例、旅行の前の確かめ方を整理します。金額は、2026年10月4日に確かめたものです。
※旅行記ではありません。観光庁など公式の情報をもとに、旅の準備に役立つことをまとめています。決まりや条件は変わることがあるので、最新の情報は記事の最後にある公式ページで確かめてください。
旅のもくじ
- 宿泊税と入湯税のちがい
- 入湯税のしくみ
- 宿泊税のしくみ
- 宿泊税の例(東京都・京都市)
- 旅行の前に確かめること
1. 宿泊税と入湯税のちがい
| 入湯税 | 宿泊税 | |
|---|---|---|
| どんな税か | 地方税法で決められた市町村の目的税 | 自治体が条例で決める法定外目的税 |
| かかるとき | 温泉(鉱泉浴場)に入るとき | その自治体の宿に泊まるとき(対象の宿は自治体ごとに決まる) |
| 金額 | 1人1日150円が標準 | 自治体ごとにちがう |
| 払い方 | 旅館などが入湯客から預かって、市町村に納める | 東京都や京都市などでは、宿が預かって納める |
「目的税」は、使い道が決まっている税金です。「法定外目的税」は、地方税法に決まった種類がなく、自治体が条例で特定の費用にあてるために設ける税金です(地方税法第731条)。宿が税金を預かって納める方法は「特別徴収」といいます。
2. 入湯税のしくみ
地方税法は、温泉(鉱泉浴場)がある市町村が、入湯する人に入湯税を課すと決めています。使い道は、環境衛生の施設、源泉を守る施設、消防の施設の整備や、観光の振興です(地方税法第701条)。
税率は「入湯客1人1日150円」が標準です(同第701条の2)。地方税の税率などは、それぞれの自治体が条例で決めます(同第3条)。そのため、実際の額や、税がかからない人の決まりは市町村ごとにちがいます。2つの市の例を見てみましょう。
| 市 | 入湯税の額 | かからない人の例 |
|---|---|---|
| 静岡県熱海市 | 1人1日150円(1泊2日は1日として計算) | 12歳未満の人(12歳の小学生も含む)、共同浴場や一般の銭湯に入る人、利用料金が1,000円以下の温泉施設を使う人 など |
| 長野県安曇野市 | 宿泊(1泊)150円、日帰り(1日)50円 | 12歳未満の人、共同浴場や一般の銭湯に入る人 など |
安曇野市は、入湯税は浴場の経営者が申告して納めるものの、浴場の入浴料金に含まれているので、実際に負担するのは入湯客だと説明しています。
3. 宿泊税のしくみ
宿泊税は、法定外目的税の1つです。地方税法では、自治体が法定外目的税を新しくつくったり変えたり(税率を下げるときなどを除く)するときは、前もって総務大臣に協議し、同意を得なければならないとしています。
総務省の報道資料を見ると、2026年3月27日には盛岡市の宿泊税の新設などに、6月30日には苫小牧市や名護市などの新設と、東京都の変更に同意しています。同意から実際に始まるまでには時間があり、始まる日は自治体ごとにちがいます。
都道府県と市町村の両方が宿泊税をかける地域もあります。たとえば沖縄県の宿泊税(2027年2月1日から始まる予定)は、1人1泊の宿泊料金の2%(上限2,000円)ですが、市町村もあわせて宿泊税をかける場合は、県の分を0.8%(上限800円)にすると決めています(総務省の資料)。
4. 宿泊税の例(東京都・京都市)
東京都(2027年4月から変わる予定)
東京都の宿泊税は、いまは都内のホテル・旅館に泊まる人が対象です。1人1泊の宿泊料金(税抜き)で、次のように決まっています(2026年10月4日に確認)。
| 宿泊料金(1人1泊・税抜き) | 税額 |
|---|---|
| 10,000円未満 | かからない |
| 10,000円以上15,000円未満 | 100円 |
| 15,000円以上 | 200円 |
ここでの宿泊料金は、食事などを含まない素泊まりの料金(サービス料を含み、消費税等は含まない)です。ツインルームなどに2人以上で泊まるときは、1人あたりの料金で判断します。子どもでも、1人1泊の料金が基準以上ならかかります。
2027年4月1日からは、宿泊料金の3%に変わる予定です。13,000円未満の宿泊にはかかりません。対象には、簡易宿所や民泊(新法民泊・特区民泊)に泊まる人も加わります。
京都市(2026年3月1日から新しい税率)
京都市の宿泊税は、ホテル・旅館・簡易宿所などに泊まる人すべて(いわゆる違法民泊に泊まる人も含む)が対象です。2026年3月1日から、次の税率になりました(2026年10月4日に確認)。
| 宿泊料金(1人1泊) | 税額 |
|---|---|
| 6,000円未満 | 200円 |
| 6,000円以上20,000円未満 | 400円 |
| 20,000円以上50,000円未満 | 1,000円 |
| 50,000円以上100,000円未満 | 4,000円 |
| 100,000円以上 | 10,000円 |
宿泊料金は、素泊まりの料金(室料とサービス料)で、食事代や消費税等は含みません。学校が主催する修学旅行などの行事に参加する児童・生徒(大学を除く)と引率者などには、かかりません。
宿泊税の金額やしくみは、自治体が見直すことがあります。京都市は2026年3月に税率を変え、東京都は2027年4月に変える予定です。出発前に、旅行先の自治体の最新の情報を確かめましょう。
5. 旅行の前に確かめること
宿泊税の払い方は、宿によってちがいます。東京都は、ホテルや旅館のフロントで旅行代金とは別に払う場合があると案内しています。京都市は、予約サイトや旅行会社への支払いに含まれている場合があるので、くわしくは宿に確かめるよう案内しています。
温泉地では、2つの税が両方かかることもあります。たとえば熱海市は、2025年4月1日から宿泊税(1人1泊200円。小学生以下の人や修学旅行などに参加する人は対象外)を導入しています。温泉に入る人には、入湯税(1人1日150円。12歳未満の人などは除く)もかかります。旅行の前に、次の点を確かめておきましょう。
- 旅行先の自治体に、宿泊税があるか。いつから、いくらか
- 宿泊料金の考え方(素泊まりか、税抜きか、1人あたりか)
- 税がかからない人の決まり(子ども、修学旅行など)
- 入湯税の額と、日帰りと宿泊でちがうか
- 予約の支払いに含まれているか、現地で払うか
この記事のまとめ
入湯税は、温泉に入るときにかかる市町村の税で、1人1日150円が標準です。宿泊税は、自治体が条例で決める税で、対象の宿や金額、税がかからない人の決まりは自治体ごとにちがいます。
東京都は2027年4月から宿泊料金の3%に変わる予定で、京都市は2026年3月から5段階の税率になりました。税の金額やしくみは変わることがあるので、出発前に旅行先の自治体の公式ページで最新の情報を確かめてください。
参考(公式情報・2026年10月4日確認)
- 総務省「入湯税」
- e-Gov法令検索「地方税法」(第701条、第701条の2、第731条)
- 総務省 報道資料「「宿泊税」の新設・変更及び「別荘等所有税」の新設(更新)」(2026年3月27日)
- 総務省 報道資料「「宿泊税」の新設・変更」(2026年6月30日)
- 総務省「東京都「宿泊税」の変更」(PDF)
- 総務省「沖縄県「宿泊税」の新設」(PDF)
- 東京都主税局「宿泊者のみなさまへ」
- 京都市「宿泊税について」
- 熱海市「入湯税の概要」
- 熱海市「宿泊される方へ」(宿泊税)
- 安曇野市「入湯税」
